脳の原因
次は脳の原因による肥満です。これは脳が食べないことによって危機感を持つことが理由となっています。それまで、順調に栄養が体に吸収されていたのに、ストレスから食欲が減退し、それも量が急に減ってしまったとすると、体にとって危機的状態だと脳は感じるのです。今度はいつ栄養が入ってくるのか分からないわけです。
食べる量が減ると、それに比例して糖分も減ります。脳にとってブドウ糖は重要な栄養分なので、不足した状態というのは許されないのです。そうすると、脳は筋肉を分解してアミノ酸に変換し、ブドウ糖をつくる、つまり「新糖生」を行います。
しかし、現実には新糖生によって作られた糖を全部使うというわけではありません。運動不足の人は特にそうでしょう。結果、余分については再び蓄えられることになります。
ここで問題なのが、ストレスがある状態だと、筋肉に糖を蓄える機能は低下してしまい、むしろ脂肪として蓄えられてしまうことです。そうなると、まさに「食べてないのに太る」ということが起こります。
ダイエットしていること自体がストレスの場合なら大変です。何しろそのストレスが原因となって太っている可能性があります。また、食べることを我慢して脳がストレスを感じると、ストレスホルモンの「コルチゾール」が分泌されます。コルチゾールを抑制するには「セロトニン」というホルモンが必要です。セロトニンはいわゆる「幸せホルモン」で、好きなものを食べると分泌が促進されます。
しかしダイエット中だと、この幸せはありませんから、またストレスを感じるという悪循環になってしまいます。結局しっかり栄養を摂らないと、脳は満足しないのです。